テナント
『テナント』1976年
監督:ロマン・ポランスキー
<感想>
以下、ネタバレです。
主人公は「誰にも迷惑をかけずに静かに暮らしたい」だけです。
周りの人間が、部屋がそうはさせてくれません。
誰かに親切にしても礼も言われない。
部屋に友達を呼べば文句を言われる。
悩みを相談しても茶化される。
欲しいものが手に入らない。
そして住人達は....。
主人公は徐々に「周りの人間が自分を陥れようとしている」という妄想に襲われます。
その妄想は、彼が借りた部屋によって引き起こされたものとして描かれています。
私にも、物事が思った通りに進まないことを周りのせいにしていた時期があった。
面白いくらい不幸なことが連続して起こる。
「これってもしかしてモニタリング?」
「これって私のせい?」
いいや違う...
「全部あいつらのせいだ!おかしいのはこの世界だ!!」
思い返せばかなり痛い時期があったものです。
主人公に親近感すら覚えた作品です。