「策略 ブラック学級開き 規律と秩序を仕込む漆黒の三日間」を読んだ
非常勤講師として働いて1年。
自分の未熟さに気づき、浴びるように教育書を読み、
教材研究に邁進している次第です。
さて、今回は
「策略 ブラック学級開き 規律と秩序を仕込む漆黒の三日間」を読んだので思ったことを自由に書いていこうと思う。
<よかったところ>
1.指導は「点」ではなく「線」
生徒を叱ってそのままにする教師をよく見る。
ひどい人は叱ったことを忘れていたりする。(ベテランでもよくやる)
叱る。やり直し→子どもたちが成長する→褒める(略)
成長をしっかりと褒めるという「策略」は、
子どもたちの心に非常に響く。
(p41)
これは本当によく分かる。
叱るだけで終るのではく、もう一度同じことをさせてみる。
キチンととできたら褒めてあげないといけない。
大人ですら褒められれば嬉しい。
子どもは褒められたくてしょうがない生き物だと思う。
私が一年間見てきた問題児は、
今まで褒められたことが一度もない。
だからよく分かる。
2.個別対応は「母性」が中心
団体指導では厳しい言葉を全体に向けて発する必要がある。
軍隊的だと揶揄されるが、この面では仕方がない。
いわゆる規律を教え込む際に有効なのだ。
しかしながら、個別対応のときに厳しく叱責するのはリスクが高い。
子どもは多種多様だからだ。
個別指導のときは、厳しく叱責するのではなく、
「母性」的な優しさで接するべし。
3.ルールを早く決め、秩序を作る
思いつきで気になったルールから教えてはダメだ。(略)
また、思いつきで適当なルールを決めるのもダメ。
度重なるルール変更は、子どもたちを不安にする。
(p109)
私は体育の授業をするときに特に注意していることだ。
・用具の置き方
・列の並び方
・挨拶の仕方
・競技のルール
などの設定をキチンとしないと子どもは混乱する。
その混乱が、教師への不信感へと繋がり、学級崩壊まっしぐら。
<これは納得できない...ところ>
子どもたちは、放っておくと、
楽な方へ楽な方へと逃げてしまう。
(p113)
これはよく分かる。
一回指示したくらいで子どもが動けるようになるわけがない。
諦めず、繰り返し、何度も指導することの大切さには理解できる。
問題はそのあと。
この意見に反対の方はいらっしゃるだろうか?
いらっしゃるとしたら、その方は、
間違いなく現場の教師ではない。現場を知らなすぎる、
子どもを知らなすぎる大学の先生の意見だろう。
「子どもは善」「子どもは天使」というラベルで物事を見てはいけない。
まあ、大学の先生はいいのかな。
彼ら彼女らは、頭で物事を考える人種なのだから(笑)。
(p114)
どうしてそうなる?
「子ども達に良い教育をしたい」と望むのは、
中学の先生だろうと、大学の先生だろうと同じだろう。
親や友人、普段”先生”と呼ばれていない人の意見だって大切だ。
色々な角度から”良い教育”を考えることの何が悪い?
みんなで良い教育について考えようよ!
少し熱くなってしまいました。失礼しました。
とにかく、直接的に生徒と関わりを持たない人に対して、
見下した感じが残念でした。
<まとめ>
他にも参考になる点がたくさんあるが、
このくらいにしておきます。
私のような素人教師から、ベテラン教師まで、
多くの教育関係者が読むべき本だと思います。